今日のFLのメモは「両面カードについて」でございます。

○両面カードって?

普通MtGのカードと言えば、表にカードの特性、裏にはデザインが印刷されています。
ところが、イニストラードと闇の隆盛には、両面に特性が印刷されているカードがあります。これらは両面カードと呼ばれています。
Reckless Waif / 無謀な浮浪者 (赤)
クリーチャー ― 人間(Human) ならず者(Rogue) 狼男(Werewolf)
各アップキープの開始時に、直前のターンに呪文が唱えられていなかった場合、無謀な浮浪者を変身させる。
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Merciless Predator / 無慈悲な捕食者
〔赤〕 クリーチャー ― 狼男(Werewolf)
各アップキープの開始時に、直前のターンにプレイヤー1人が2つ以上の呪文を唱えていた場合、無慈悲な捕食者を変身させる。
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両面カードとは、カードの一方にマジックのカードの表面、もう一方にマジックのカードの裏面があるのではなく、両方にマジックのカードの表面があるカードである。各面は、そのパーマネントを「変身させる」、あるいは一方からもう一方の面に変える能力を持つことがある。。(CR711.1)
パーマネントを変身させる場合、それを裏返し、もう一方の面が見えるようにする。(CR701.25b)

・2つの表面を持つのが両面カードさ。
・両面カードは変身することがある。くるっと別の面になるんだ。

両面カードの特徴は、変身すること。昼の面と夜の面を持っていて、ある条件を満たすといきなり様変わりします。
どれくらい変わるかと言うと、昼夜でカードタイプが違うことすらあるくらいです。クリーチャーがエンチャントになったり、アーティファクトがクリーチャーになったり。

今回はこの、2つの顔を持つ両面カードについてメモしていきます。

○ 両面カードのまわりで起こる色々

◎ 「《コジレックの審問》で相手の手札を見たら、《苛まれし最下層民》がありました。これ、落とせる?」
Inquisition of Kozilek / コジレックの審問 (黒)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札を公開する。あなたはその中から点数で見たマナ・コストが3以下の土地でないカードを1枚選ぶ。そのプレイヤーはそのカードを捨てる。
Tormented Pariah / 苛まれし最下層民 (3)(赤)
クリーチャー ― 人間(Human) 戦士(Warrior) 狼男(Werewolf)
各アップキープの開始時に、直前のターンに呪文が唱えられていなかった場合、苛まれし最下層民を変身させる。
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Rampaging Werewolf / 猛り狂う狼男
〔赤〕 クリーチャー ― 狼男(Werewolf)
各アップキープの開始時に、直前のターンにプレイヤー1人が2つ以上の呪文を唱えていた場合、猛り狂う狼男を変身させる。
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これ、落とせません。

戦場以外のあらゆる領域において、および戦場において昼の面が表になっている場合において、両面カードは昼の面の特性のみを持つ。(CR711.2a)

・戦場で昼の面だったり、戦場以外にあったりな両面カードは、昼の面を見るのさ。

両面カードは、戦場以外の領域にあるとき、昼の面の情報だけが参照されます。
今回の場合、《苛まれし最下層民》は手札にあるので、点数で見たマナ・コストをチェックするときは《苛まれし最下層民》の「4マナ」だけを見ます。
夜の面である《猛り狂う狼男》の点数で見たマナ・コストは0ですが、このときには関係ありません。

つまり、《苛まれし最下層民》は4マナなので、《コジレックの審問》では落とせない…ということ。

◎ 「《クローン》が《無謀な浮浪者》のコピーになりました。これ、変身できる?」
Clone / クローン (3)(青)
クリーチャー ― 多相の戦士(Shapeshifter)
あなたは、クローンが戦場に出ているクリーチャー1体のコピーとして戦場に出ることを選んでもよい。
0/0

これ、変身できません。

両面カードの各面はそれぞれに独立した一連の特性を持つ。(CR711.2)
オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに記載されている値(カード名、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、エキスパンション・シンボル、ルール文章、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、特性を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「表になるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。それ以外の(タイプや文章を変更するようなものも含む)効果、位相、カウンターはコピーされない。(CR706.2)
トークンや、マジックの裏面を持つカードは変身させられない。(CR711.1)

・両面カードは、昼の面と夜の面とで別々の特性を持つんだ。
・何かをコピーするとき、カード名とかここに書いてある諸々のことがコピーされる。それ以外のことはコピーされないのさ。
・トークンとか裏面のあるカードは、変身できないよ。

両面カードは、各面で別々の特性を持っています。昼の面ではこういうもの、夜の面では別のこういうもの。
両面カードをコピーする場合、現在の面の特性だけがコピーされます。別の面の特性や、両面カードであるという事実自体はコピーされません。

つまり、《クローン》が《無謀な浮浪者》のコピーになるとき、それは《無謀な浮浪者》の特性だけをコピーします。夜の面である《無慈悲な捕食者》の特性や、「このオブジェクトが両面カードである」ということ自体はコピーされません。
よって、《クローン》は両面カードではないので、《無謀な浮浪者》のコピーになっても変身することが出来ない…ということ。

◎ 「《無謀な浮浪者》が戦場にある状態で《イクシドロン》が戦場に出ようとしています。これ、《無謀な浮浪者》はどうなる?」
Ixidron / イクシドロン (3)(青)(青)
クリーチャー ― イリュージョン(Illusion)
イクシドロンが戦場に出るに際し、他のトークンでないすべてのクリーチャーを裏向きにする。(それらは2/2のクリーチャーである。)
イクシドロンのパワーとタフネスはそれぞれ、戦場に出ている裏向きのクリーチャーの数に等しい。
*/*

これ、裏返れません。

パーマネントの位相とは、物理的な状態のことである。位相には4つの種類があり、それぞれ2種類のいずれかの状態を取る。すなわち、タップ/アンタップ、反転/非反転、表向き/裏向き、フェイズ・イン/フェイズ・アウトである。パーマネントは、4組の位相それぞれについて必ずどちらかの状態である。(CR110.6)
両面パーマネントは、つねに「表向き」(中略)の位相を持つ。両面パーマネントは裏向きにできない。呪文や能力により両面パーマネントが裏向きになろうとする場合、何も起こらない。(CR711.6)

・位相というのは、カードの物理的な状態のことさ。カードの表向き/裏向きも位相の1種で、パーマネントは常に表裏どちらかの状態だよ。
・両面カードのパーマネントは、常に表向きさ。2つの表面を持っていて、裏面は持たないからね。もちろん裏向きになることはできないのさ。

パーマネントが表向きか裏向きか、という状態は、パーマネントの位相と呼ばれるものの1つです。
クリーチャーを裏向きにする、というのは、そのクリーチャーを裏向きの位相にするということです。

そして、両面カードは裏向きの位相になることが出来ません。
何故かというと、両面カードは2つの表面を持っていて、裏面を持たないからです。昼の面と夜の面、どちらの面で戦場に居ても、位相は常に表向きなんです。
もし何かが両面カードを裏向きの位相にしようとした場合、それは失敗します。

つまり、《イクシドロン》は《無謀な浮浪者》を裏向きにしようとするけど、《無謀な浮浪者》には裏面が無いので失敗する…ということ。

おまけ

両面カードは、裏を持たないので裏返ることが出来ません。
両面カードでないカードは、表と裏を持っているので、変身できません。

裏返すことと変身することは、カードの面を逆にするという動作は似ていますが、全然違うルールなんです。

◎ 「両面カードはチェックリスト・カードが使えるらしいですね。これ、どうやって使うの?」

これ、使い方説明します。

プレイヤーは、両面カードが非公開領域にある場合に、それが同じ領域にある他のカードと区別が付かない状態にしなければならない。そのために、両面カードのオーナーは完全に不透明なスリーブを用いるか、チェックリスト・カードで置換しなければならない。(CR711.9)
チェックリスト・カードが使用される場合、それが表わす両面カードは、ゲームの開始(中略)前に脇に置かれ、ゲーム中に使用可能な状態でなければならない。(CR711.9a)
チェックリスト・カードを使う場合、(中略)チェック欄のうち1個だけに印をつけ、そのチェックリスト・カードがどの両面カードを表しているのかを示す。(CR711.9b)
チェックリストカードが公開領域に入った場合、そのチェックリスト・カードは脇に置かれ、代わりにその両面カードを使用する。チェックリスト・カードが裏向きで追放された場合、そのカードが何であるかを隠すために裏向きのチェックリスト・カードを用いる。(CR711.9d)
使用しているチェックリスト・カード1枚ごとに、その表しているカードの実物が1枚必要であるが、それらはサイドボード・カードとしては扱われず、対戦相手に提示される必要もない。(MTR3.5)

・両面カードを使うデッキで完全不透明なスリーブを使わない場合は、チェックリスト・カードを使わなきゃダメなんだ。
・本物のカードは、ゲーム中に使えるように脇に置いておこうか。
・チェックリスト・カードは、それが表すカードのチェック欄に印をつけて使うのさ。
・チェックリスト・カードが公開領域に入ったら、それを脇にどけて、代わりに本物を使うんだ。裏向きで追放されたなら、チェックリスト・カードのままでいいよ。
・チェックリスト・カードと同じ枚数だけ本物のカードが必要さ。ただし、それはサイドボ-ドじゃないし、ゲーム前に相手に見せる必要も無い。

もうちょっとまとめます。

前提条件:スリーブがちょっとでも透けるなら、チェックリスト・カードを使う。

(a)示したいカードのチェック欄にチェックをつけて、デッキに入れる。
間違っても2つ以上チェックしないように

(b)ゲームが始まる前に、本物のカードをいつでも使えるように準備する。
本物のカードは、デッキ内のチェックリスト・カード1枚につき1枚必要。それらはいつでも手に取れる場所に置いておくべきだが、サイドボードとして扱われる訳ではなく、ゲーム前に対戦相手に見せる必要は無い。

(c)チェックリスト・カードが公開領域(※)に入ったら、チェックリスト・カードの方を脇にどけて本物のカードを使う。
例外として、裏向きに追放された場合は、チェックリスト・カードを使う。

※墓地、戦場、スタック、追放、アンティ、統率領域。

こんな感じです。よく理解して使いましょう…ということ。

○ FLの感想

イニストラードの情報として初めて両面カードが発表されたとき、FLは衝撃を受けました。
MtGのカードといえば裏面はいつものアレ、という常識が覆されてビックリしたのを、よく覚えています。
そして、新しいメカニズムには新しいルールがつきもの。FLは必死で調べて、自分でもチェックリスト・カードを使ってみたりして覚えました。
イニストラードはもうすぐスタンダードから落ちてしまいますけど、これを忘れず、正しくMtGを遊び尽くしたいです。

それではFLでした。

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